1968年11月に発表されたNEACシリーズ2200モデル700はNEC独自開発の超大型コンピュータで,シリーズの最上位モデルである.その特長は以下のようである.
- NECは大阪大学のMACシステムにモデル500を納入し,日本で初めて多数の加入者の端末から会話形式でプログラムの作成,実行ができるタイムシェアリングシステムを実用化した.その経験を活かして開発されたモデル700は,より大規模で高速なタイムシェアリングシステムを可能にした.
- 高速なCML ICを使用して固定小数点加減算時間0.5μ秒,浮動小数点加減算0.8μ秒を実現した.主記憶にはサイクルタイム0.5μ秒の磁心記憶で最大2M字の記憶容量を得,小容量ながらキャッシュ・メモリも採用した.当時の国産最大で,最高速機のコンピュータである.
- OSには密結合マルチプロセッサとモデル700の最高速性能を発揮できるように機能強化したMOD7(モードセブン)を開発した.
- 世界で初めてフリップフロップIC内に試験診断用スキャンパスを形成し,これを利用してパッケージ試験およびシステム診断データの自動生成を行うなど信頼性や保守性の向上にも最先端の技術を導入した.
- 外部記憶装置には294M字/16スピンドルの集団磁気ディスクを備えている.