慶應義塾大学トランジスタ計算機K-1

慶應義塾大学トランジスタ計算機K-1

慶應義塾大学トランジスタ計算機K-1


論理回路パッケージ

論理回路パッケージ


磁気ドラム記憶装置

磁気ドラム記憶装置


製造年 1959年
製造者 慶應義塾大学工学部電気工学科
所有者 慶應義塾大学理工学部
史料所在地 〒225-8522神奈川県横浜市港区日吉3-14-1 慶應義塾大学矢上キャンパス11棟地下1階*
公開情報 公開中(要予約)
照会先 理工学部 総務課 Tel.045-566-1454  https://www.st.keio.ac.jp/

*磁気ドラム記憶装置は14棟地下1階


 慶應義塾大学では,1958年に創立100年の記念事業の一環として,10進法トランジスタ式電子計算機K-1を開発した.電気試験所のトランジスタ式電子計算機ETL Mark IVをモデルに全トランジスタ化を行い,さらに浮動小数点演算機構および指標レジスタを加え,1語の桁数を12桁に拡張した.内部記憶には高速磁気ドラムを,入出力装置は機械式テープリーダ,フレキソライタ,テープパンチを使用した.
 K-1は内部10進法,ビット並列ディジット直列方式で,1語は並列5ビット・直列12桁の構成をとる.基本回路はダイナミック方式を使用し,クロックは同期式,200kHzである.
 工学部の北川節および都築東吾は,電気試験所のETL Mark Vの設計に参加し,論理設計の実習を行った後,1958年7月にK-1の設計に着手した.同年11月から研究室の学生5名も加わって組立配線を開始し,その後試験調整を行った.K-1は1959年6月に稼働を開始し,我が国初の大学で作られたトランジスタ計算機が誕生した.1961年7月に計算センターが工学部内に設けられてK-1が設置され,1968年まで学内の研究や教育に使用された.
 現在,K-1の計算機本体が,慶應義塾大学矢上キャンパス11棟地下1階に,磁気ドラム装置が14棟地下1階に展示されている.