製造年 | 1972年 |
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製造者 | (株)日立製作所 |
所有者 | (株)日立製作所 |
史料所在地 | 〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 (株)日立製作所 横浜事業所内 |
公開情報 | 原則非公開(応相談) |
照会先 | https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/ |
1967年,超高性能電子計算機開発の国家プロジェクトが発足し,日立製作所がその中心的役割を委託された.このプロジェクトは国産技術の粋を集めたものとして,学会,官界,業界あげての支援,協力と関係者の総力を傾注し,1972年に完成した.その技術成果を活かして,HITAC 8800および8700が商品化された.
HITAC 8800/8700では国産で初めて32ビットの仮想アドレス方式を採用し,リングプロテクションによる記憶保護方式を導入するなど,先進的なアーキテクチャを数多く取り入れた.主記憶装置はコアメモリで,当時としては大容量の8メガバイトの搭載が可能であった.CPU内にバイポーラICのバッファメモリを備え,演算処理の高速化を図った.最大4台のCPUによって主記憶装置を共有するマルチプロセッサ構成を組むことができ,マルチプロセッサでのバッファメモリ制御を初めて実現した.
HITAC 8800は,HITAC 8000シリーズの最上位機であり,ギブソンミックスが200〜300nsと,国産では当時の最高,世界でもトップレベルの性能を有し,東京大学大型計算機センター,気象庁の数値予報システムなどで各種の科学技術計算に使用さ
れた.
HITAC 8800の部品類として,論理パッケージ,コアメモリおよびその周辺回路,システムコンソールが保存されている.