製造年 | 1962年 |
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製造者 | (株)日立製作所 |
所有者 | (株)日立製作所 |
史料所在地 | 〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 (株)日立製作所 横浜事業所内 |
公開情報 | 原則非公開(応相談) |
照会先 | https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/ |
HITAC 3010は,日立製作所が技術提携先の米国RCA社製のRCA301をモデルとして,これを国産化した中型事務用計算機である.サイクルタイムは標準方式7μs(マイクロ秒=百万分の1秒),記憶容量は2万ないし4万字(1字=6+1ビット)であった.字単位のデータ処理が容易であること,各種の入出力装置がビルディングブロックで接続可能であることなどを特長とするハードウェアとともに,アセンブリシステムや事務用パッケージなどのソフトウェアも完備していた.
テーブル演算技術を採り入れていることが方式的な特徴の1つである.変換テーブルを用いて文字列のコード変換を行う命令が備えられており,通常のコード変換以外にもカードの文字コード(12ビット)を内部コード(6ビット)に変換する場合など種々の目的で使用された.採用した基本回路の論理特性から10進の加減算回路をやや構成しにくかったため,加減算命令ではテーブルを用いて演算を実行している.乗算の命令がなく,加算の反復によって乗算を実行するサブルーチンが備えられていたが,そこでもテーブルが利用された.ソート処理やラインプリンタ制御等にもテーブル技術が応用された.
1962年に1号機が神奈川県庁に納入され,事務の合理化に貢献した.