HITAC 301部品

手前左がクロックパルス発生回路,手前右が論理ゲート回路,奥が論理基本回路

手前左がクロックパルス発生回路,手前右が論理ゲート回路,奥が論理基本回路


製造年 1957年
製造者 (株)日立製作所
所有者 (株)日立製作所
史料所在地 〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 (株)日立製作所 横浜事業所内
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/

 HITAC 301は,日立製作所の最初のトランジスタ計算機である.ETL Mark IVを完成した電気試験所の技術指導を受けて1958年5月頃から開発に着手した.ETL Mark IVの基本回路をほぼそのまま採用したほか,10進直並列演算方式や磁気ドラムの採用など方式的にもETL Mark IVの影響を強く受け,HIPAC MK-1が技術計算を目的としたのに対し,事務処理用を指向した.ETL Mark IVを手本にしながらも,語長は符号+12桁に拡張し,1語に2命令を入れるペアドオーダ方式とし,オーバフローの検出や入出力の一部同時動作を図るなどの工夫をこらした.磁気ドラムは12,000RPMの高速性と1,960語の容量を持つ,当時としては最高のものを狙った.
 パラメトロンのHIPACに対してHITAC(Hitachi Transistor Automatic Computer)301と命名され,1959年4月に完成し,5月に日本電子工業振興協会に納入された.これが今日も続くHITACブランドの第1号である.
 現在HITAC 301の装置全体は残っていないが,構成部品の論理基本回路,論理ゲート回路およびクロックパルス発生回路が保存されている.