CS-10A

CS-10A

CS-10A


製造年 1964年
製造者 早川電機工業(株)(現・シャープ(株))
所有者 シャープ(株)
史料所在地 〒632-8567 奈良県天理市櫟本町2613-1 シャープミュージアム
公開情報 公開中(要予約)
照会先 研究開発本部 オープンイノベーションセンター Tel.0743-65-0011

 CS-10Aは1964(昭和39)年に製造・発売された世界初のオールトランジスタ・ダイオードによる電子式卓上計算機である.電卓の先駆けとして,その後の小型化や普及に道を拓いた.開発は1960年に早川電機工業(現,シャープ)内に研究室が設置されたことに始まる.スタート時は大型コンピュータの開発を目指していたが途中で目標を変更し,ソロバンのように「いつでも・どこでも・だれにでも」使える小型計算機の開発にシフトした.そして東京オリンピックの開催された1964年に完成したのが,COMPET(CS-10A)である.
 数字入力はフルキー式10桁,表示はニキシ管による20桁表示,ゲルマニウム・トランジスタ530個とダイオード2,300個を含む約4,000点の部品からなり,大きさは420×440×250mmで,重量は25kgであった.演算にかかる時間は,毎秒加算80回,減算60回,乗算2.5回,除算1.2回である.定価は53万5千円で,当時の大衆的な乗用車とだいたい同じ値段であった.個人で購入するにはきわめて高価であったが,従来の機械式と異なり演算速度が速く静粛性に富んでいたため,国内外で好評を博した.オールトランジスタ,ダイオード式小型計算機の成功は,業界に大きなインパクトを与え,その後のIC,LSI化による電卓の小型・軽量,大衆化に弾みをつけ,国内の電卓競争に拍車をかけた.