製造年 | 1971年頃 |
---|---|
製造者 | ビジコン(株) |
所有者 | 大崎眞一郎 |
史料所在地 | 神奈川県川崎市中原区(中丸子) |
公開情報 | 非公開 |
照会先 | 電卓博物館 webmaster@dentaku-museum.com(@を半角にしてください) |
141-PFは,マイクロプロセッサの嚆矢であるIntel 4004を初めて搭載したビジコン社のプリンタ付き電子式卓上計算機である.同プロセッサの開発に当たっては,ビジコン社も大きな役割を果たした.
日本計算器販売(1970年にビジコン社に社名変更)は,電卓をOEMで国内外の企業へ供給していたが,同型であっても相手先の細かな仕様別にハードを設計する必要があり,開発コストや時間の削減を求められていた.そこでハードウェアを変更することなく,ソフトウェアで個別の仕様に対応する新しい構造の電卓を計画し,pMOSの半導体技術を持っていた新興のインテル社にLSIの開発を打診した.ビジコン社側の構想に対し幾度かのやりとりの末,インテル社のテッド・ホフは,汎用的なロジック・デバイスのコンセプトを提案し,これをインテル社のエンジニアやビジコン社側から派遣された嶋正利らが中心となって作り上げ,1971年3月にマイクロプロセッサ4004を完成させた.
ビジコン社はこの4004を用いたプリンタ付き電子式卓上計算機141-PFを同年10月に発売し,他社にもOEMで供給したが現存するものは多くない.マイクロプロセッサには大きな可能性があることから,インテル社は販売権などを買い戻し,1971年11月に4004を一般に発売した.