情報処理学会歴史特別委員会では,過去半世紀にわたる日本のコンピュータ技術を中心とした貴重な歴史を残すべく活動を進めてまいりました.「コンピュータ博物館」も当委員会が編集・公開しております.
「実物の所在地情報」は,歴史的に意味のあるコンピュータの本体や周辺機器などの所在地を関係者から提供して頂いた情報をもとに取り纏めたものです.歴史の証言者ともいうべき貴重な機器リストの整備充実を図りたいと考えております.今後とも引き続き,全国のコンピュータユーザの方から情報を提供して頂きたく,お願い致します.
なお,このリストの主旨は国内における機器類の保管実態を把握するためのものであり,当委員会としましては,現在のところそれらの機器を収集,展示する博物館などの具体案は持っておりません.第一段階としてこの「実物の所在地情報」を整備し,その上で見学者の便を図りたいと思います.
日本の計算機として一時代を風靡した名器たちも,進歩とともに後継機種にとって替わられ,もはや陳腐化し粗大ごみの一つとして次々に姿を消しつつあることに,当委員会は焦りと危機感とを持っております.歴史に残すべき機器を何らかの事情により処分しなければならない場合には,当委員会として保管に適切な組織への紹介・斡旋などの労をとらせて頂く所存です.
上記の現状に鑑み,当委員会は平成19年2月に公的なコンピュータ博物館の早期設立を呼びかける提言(注)を公表しました.
この表は,歴史的コンピュータおよびその部品の国内各機関における保存状況を示したものです.公開状況で“展示中”とあるのは,原則として常設に展示しており,一般に公開されているものです.“要申し込み”は,展示場所が工場内などのため,閲覧には事前に申請が必要な場合です.“----”の資料は,現在のところ収蔵庫などに保管されており基本的に公開されていない資料ですが,閲覧を希望される場合は,各機関にご相談ください.